123冊本その63:「播州平野」
戦争直後の女たちの暮らしを描いたもの。臆病な心から戦争に関する本はなるべく避けて通っていたのだが、これは読んでよかった。決められた本を読むということのよさはこういうところにもある。
登場人物が女ばかりだったし、文章自体も「女」を強く感じさせるものだった。それが不快だったというわけではなく、ただただ「女」だなあと思った。
「ひろ子は、眠った夜については、話したが、その夜々が眠りを失ったとき、決して誰にも訴えなかった。眠れない夜をもたないで生きて来ている人々というものが此の世の中にあるだろうか。」
という件りが心に残った。