2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

123冊本その71:「縮図」

一週間ほど前に読んだので記憶が……いや、悪くない読後感でしたよ(適当)芸者屋を取り仕切る銀子という女性が主人公。 「……したが、……というのだが、」とやたら「が」を続けて使うのが気になった。この作家の癖なのかしらん。 この小説で漢字を宛ててあるの…

123冊本その70:「新聖書講義」

河上徹太郎という人が、聖書を通じキリスト教精神の何たるかを11項目に分けて説いた本。小林秀雄と親交のあった人らしい。 100頁くらいで読みやすかったが、なんとなく中途半端という印象を受けた。信仰と理智とは対立するもので、信仰は「一かばちかでき…

123冊本その69:「ロダン」

リルケによるロダン論。ロダンロンって変な響き。 その9でリルケ詩集を読んだけれど、このロダンの評論の方がずっとよかった。ロダンの画集(彫刻集?)がほしくてたまらなくなった。 文庫にも、写真が8つ入っていた。「ダナイード」の背中から尻にかけて…

123冊本その68:「若き哲学徒の手記」

昭和16年、気比丸沈没事故により22歳で亡くなった弘津正二の日記。 読んでいる間は、この沈没事故が持つ悲劇性を努めて忘れようとした。かわいそうに、なんて思って読まれても向こうだって困るだろう。日記を書いた時点では事故は起きていないんだし。 …

その67:「芥川龍之介の思想」

本文よりも、ふんだんに引用されている芥川の『株儒の言葉』そのものに惹かれた。 この人は夏目漱石の研究の方で有名らしい。そちらもぜひ読んでみたい。

123冊本その66:「『歎異抄』と現代」

第2章の「『本願選択』の二重性」のところをとりわけ熱心に読んだ。自由という言葉がここ十年ずっとわからなくて迷っていたから。この本はそのことについて深く切り込んでいたのだが、やっぱり腹の底からわかるというというわけにはいかなかった。悲しい。…

滝沢克己二本立て。九大の先生だった方です。西田哲学を戦前で唯一理解した人、とも言われています。公式ページはこちら。 http://www.takizawakatsumi.com/

123冊本その65:「夜明け前」

第一部・第二部合わせて岩波文庫で4冊、総頁数約1600。こんだけ広く深い小説を書くには、よほどの強健な精神を必要とするだろう。感想がまとまらない。メモ程度にいくつか。 ・街道の宿場という場面を設定した時点でこの小説は成功を約束されたようなも…