2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

123冊本その64:「旅愁」

執筆の時期(昭和12〜23年)と、「日本の精神文化と、ヨーロッパの物質文化ないしは知性との相克」(新潮文庫解説より)という主題には切り離せない関係があるのだろう。「東洋対西洋」の単純な二項対立が鼻につく箇所もあったけれど、平成の感覚でそんなこ…

ほぼ十日ぶり。

123冊本その63:「播州平野」

戦争直後の女たちの暮らしを描いたもの。臆病な心から戦争に関する本はなるべく避けて通っていたのだが、これは読んでよかった。決められた本を読むということのよさはこういうところにもある。 登場人物が女ばかりだったし、文章自体も「女」を強く感じさせ…

その62:「風姿花伝」

読み返してみて、わからないところがこんなにあるのに、よく見切り発車で論文書いたなあと思う。「成就」「秘する花」の用例を他の著作からも拾うこと。

その61:「歎異抄」

「たとひ法然聖人にすかされまひらせて、念仏して地獄におちたりとも、さらに後悔すべからずさふらう」とところを読むjといつもしみじみする。こんな出会いを得た人は幸せだ。

その60:「近代秀歌」

秀歌例から定家の評価基準を推し量れないかしらと思ったけれど、そんな曖昧な試みがそう簡単に成功するはずもなかった。

その59:「新古今和歌集」

どちらが好きかと言われればこちら。式子内親王の歌にいいのがいくつもあった。

123冊本その58:「古今和歌集」

季節がら夏の歌が気になる。夏歌34首中実に28首が郭公(ほととぎす)の歌だった。共通の認識がもたらす安らかさということを考える。

123冊本その57:「ドストエフスキーの生活」

小林秀雄の、ドストエフスキーに関する評論集。表題の伝記部分よりも、「『カラマーゾフの兄弟』」「『罪と罰』について」の方を熱心に読んだ。 警句の連続。警句に弱いので参っちゃう。「彼等は、疑うというより寧ろ信じないのである」なんて言われたら、意…

123冊本その56:「罪と罰」

20歳前半において最も衝撃を受けた本。やはり凄かった。 この本を、つまらない、取るに足らぬ本だ、と言ってのける人っているんだろうか。ラスコーリニコフとソーニャの会話を冷笑を以って受け止める人は?いや、勿論いるんだろうけど、私には到底できない…