2007-01-01から1年間の記事一覧

月の客

いとおしさが溢れて、身が腐るようだ

№をつけられなくなった

最後に日記を書いたのは4ヶ月以上前になるのか。びっくりだ。 7月までは仕事に関する本しか読めなかったのだけれど、それはそれで楽しかった。落窪とか。宇津保は長くて逃げちゃった。 8月は浴びるほど本を読むぞと意気込んでいたのに、いや実際読んだの…

№56ヘミングウェイ「老人と海」(福田恒存訳、新潮文庫) なんでだか読む機会がいままでなくて、この休日にやっとこさ。 「おれはお前が大好きだ、どうしてなかなか見あげたもんだ。だが、おれはかならずお前を殺してやるぞ。きょうという日が終るまでには…

№55 泉鏡花「歌行灯・高野聖」(新潮文庫) 非日常の世界と美しい文章を存分に味わった。『売色鴨南蛮』の、煎餅盗み食いしちゃう主人公がいとしい。どの話も、自然らしさを装うのではなく思い切り「作り話」の面白さを追求してるのが心地よかった。

「よつばとひめくり2007」(メディアワークス) 9日のよつばのひまわりのような笑顔にやられたかと思ったら10日は一転して「ふぎゃあ」の泣き声。脇の「泣く子と地頭には勝てぬ」の一文がとぼけた味わいで、これはこれで微笑ましいのだけれど、やっぱ…

№52 白洲正子 吉越立雄「お能の見方」(新潮社) №53 「平家物語 三」(岩波文庫) 巻七〜巻九まで。巻九「木曽最期」素晴らしい。 №54 「平家物語 四」(岩波文庫) 巻十〜灌頂巻まで。巻十一「内侍所都入」知盛の「見るべき程の事は見つ。いまは自害…

№51 加藤周一「『日本文学史序説』補講」 「日本」「文学」「史」とは何かというところから話を始めてくれていたのがありがたかった。アイヌ文学を入れるか、立札に書かれた文を入れるか、などなど。 日本人は古来自然を愛でてきたというけど、それはあく…

№49 ドストエフスキー「白夜」(新潮文庫) №50 古井由吉「白髪の唄」(新潮文庫) 2週間ほど前、かっぱ横丁で見つけて欣喜雀躍した一冊。 死の香りを馥郁と漂わせる文章は相変わらずで、どの箇所が特にいいというのではなく、文の運びにただただ心地よ…

№46 笠井潔「サマー・アポカリプス」(創元推理文庫) 三部作だったとは……。 №47 「平家物語 二」(岩波文庫) 巻四〜巻六まで。巻四「信連」の戦闘シーン。「橋合戦」の、三百余騎が一斉に河を渡る場面。見事。 №48 大野順一「色好みの系譜」(創文社…

№45 「平家物語 一」(岩波文庫) 巻一〜巻三まで。 巻一 やっぱり祇王と仏御前の話が一番。 巻二 謀反の計画がバレたときの、清盛の下手人に対する態度。「縁のきはにひき寄せさせ、物はきながら、しゃっつらをむずむずとぞふまれける」。こういう文に反…

№43 高橋睦郎「読みなおし日本文学史」(岩波新著) №44 保坂和志「生きる歓び」(新潮文庫) 保坂和志の作品を初めて読んだ。 ・なんだかどしどしものを言うなあ、色気ないなあと思いながら読んでいたけれど、「大げさに聞こえるとは思うが、自分のこと…

№40 アガサ・クリスティ「春にして君を離れ」(ハヤカワ文庫) №41 ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」(新潮文庫) 犯人はこいつに違いないと早々に目星をつけて読み進めてたら見事に外してしまった。 №42 アガサ・クリスティ「動く指」(ハヤカワ…

№37 堀江敏幸「いつか王子駅で」(新潮文庫) №38 フィリップ・K・ディック「高い城の男」(ハヤカワ文庫) №39 泉鏡花「歌行燈」(岩波文庫) 一番面白かったのは「歌行燈」。クライマックスで謡曲「海士」が使われていておおっと思った。 「高い城…

№36 H.ジェイムズ「ねじの回転」(ハヤカワ文庫) 芥川の「藪の中」は複数の人物の語りを通して「複数の真実」を描いているけれど、この作品ではその「幾通りもの真相の可能性」を一人の人物の語りによって表現し得ているところが面白いと思った。

№35 小西甚一「日本文学史」(講談社学術文庫) 小説と物語の違いについて。

№34 新日本古典文学大系57「謡曲百番」(西野春雄校注、岩波書店) 江戸時代に編まれた謡曲集。その名の通り、有名な謡(能のシナリオ)が100集められている。 一番印象に残ったのは「海士(あま)」。なぜ印象に残ったかというと、母の愛、しかも激しい…

№32・33 ポール・クローデル「繻子の靴 上・下」(岩波文庫) 下巻246頁の仕掛けが楽しかった。

№31 西郷信綱「梁塵秘抄」(ちくま学芸文庫)

№30 「源氏物語 六」(岩波文庫) 「東屋」〜「夢浮橋」。 123冊本その78:「源氏物語」(岩波文庫) 二月の(私的)課題図書だった「源氏物語」を少し遅れてやっと読み終えた。長かった。 「光源氏は人間としては描かれていない。当時の人が考え得る…

№28 「源氏物語 五」(岩波文庫) 「竹河」〜「宿木」。№29 堀江敏幸「河岸忘日抄」(新潮社)

№27 「源氏物語 四」(岩波文庫) 「若菜下」〜「紅梅」。

№26 「源氏物語 三」(岩波文庫) 「胡蝶」〜「若菜上」。

№25 嵐山光三郎「追悼の達人」(新潮文庫)

№24 「源氏物語二」(岩波文庫) 「須磨」〜「初音」。

「文学界」2003年4月号所載の、「村上春樹ロングインタビュー〜『海辺のカフカ』を語る」を読んだ。 『雨月物語』の物語性だとか、人間存在を二階建て(地下室有り)の家になぞらえる話だとか、『坑夫』の「責任感の無さ」についてだとか、いろいろ。読み応…

№23 加藤周一「日本文学史序説 下」(ちくま学芸文庫) 史観というものを自らのうちに持たない私には、この本を評価する資格も批判する資格もまるでない。けれど、こっそり言わせてもらうなら、とても感動した。自分の傾倒ぶりを危うく感じてしまうくらい…

№22 加藤周一「日本文学史序説 上」(ちくま学芸文庫)

№21 「森鴎外」(ちくま日本文学全集)

№20 荒山徹「十兵衛両断」(新潮文庫)

№19 アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」(ハヤカワ文庫)