123冊本その74:吉田兼好「徒然草」(岩波文庫)

 作業の終わりかけにいつも「高名の木登り」(109段)とつぶやいてしまうのは私だけだろうか。他にも98・110・127段など、行動の指針となってる段がいくつもある。
 全部よくて、全部ダメ。指導教授がこの人の物の見方をこんな風に言い表しておられたけど、名言だと思う。
 図書館でドナルド・キーンとウィリアム・ポーターの英訳版を見つけたので、お気に入りの段だけ拾い読みした。一番興味があったのは89段の「助けよや、猫またよや、(くりかえし記号)」の部分。キーン訳は「Help!A nekomata!A nekomata's after me!」でそのまんま、ポーター訳は「Help! the goblin cat! the goblin cat!」だった。