123冊本その43:「室生犀星詩集」(角川文庫)
よかった。印象に残ったのは「小景異情」「櫻と雲雀」「はる」「秋くらげ」「本」「緑のかげに」「昨日いらつしつてください」等々。他にもいいのがたくさんあった。「小景異情」はかの有名な「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」のフレーズを含む。
「昨日いらつしつてください」はよくわからぬながら胸うたれるものがあった。この人は静かに怒っているんだろうか。「緑のかげに」の最後三行は身につまされる思いがした。
「われはかくあらんことを願はず。
されどかくあらざりしことの
わが思ひをつんざくことの何んぞ激しき。」
室生犀星と萩原朔太郎は終生の友であったらしい。この二つの詩集を読み比べて、どちらが好きかを語りあえる人がいればいいなあ。私は犀星が好きです。