123冊本その44:「金色夜叉」

 寛一お宮のやりとりに大笑い、とマイミクさんが書いていて首を捻っていたけれど、なるほど大笑い。会話の運びがすごく上手い。
 面白い。けれど楽しめなかった。登場人物の誰にも感情移入できなかったからかもしれない。愁嘆場と修羅場の見本市のようで読み終わったときにはぐったり。
 よく「富山唯継の財に惹かれて心変りした宮は」と説明されるけれど、そして本文にも「心変り」と書いてあるけれど、元々宮は寛一のことをそんなに好きではなかった。それが蹴られて罵られて以後執着するようになるんだから、いやー女心ってわかんないなあ。