123冊本その45:「婦系図」

 すごい。最後まで読んで茫然自失。いい意味であらすじが書けない。
 話の展開もすごいけど、文章は洒落てるし、笑いもバッチリあるし、何より女性が魅力的なのがいい!結局自分はいい女が出てきたら褒めてるんじゃないかと心づいた。漱石然り一葉然り。
 作品中に「千鳥屋金色夜叉を演ると云う新俳優の、あれは貫一に扮る誰かだ」なんて出てきておやと思った。鏡花は紅葉を生涯の師と慕っていたそうだし別に不思議でも何でもないんだけど。
 
 作品だけでなく作者も面白い。Wikipediaに詳しい紹介があるので、お暇な方は是非御覧下さい。
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%89%E9%8F%A1%E8%8A%B1
 上の記述で驚いたのが
・デビュー当時、ペンネームに「畠芋之助(はたけいものすけ)」を用いたことがある
はたけいものすけ!全然作風に合わない。いやデビュー当時はそれに相応する作風だったのか。