123冊本その48:「武器よさらば」

 岩波文庫で読んだ。1957年初版発行だから女性の言葉遣いなど、言い回しが少し古びていて、それが自分にはよかった。でも新潮社版も気になる。
 これにもたくさんの死が描かれていていてナーバスの極みに達してしまった。しまった今日は本の選択がまずかった。
 キャサリンはあらゆる意味で女らしく、主人公ヘンリーはあらゆる意味で男らしかった。私の思う限りでの女らしさ男らしさだけど。ちょっと引用。

 「(略)女のひとは、あなたを愛しますって言うの?ね、それを教えて。そこのところが知りたいの」
 「男の方も、君を愛してるって言うの?」
 「言いたければ、言うさ」
 「でも、あなたはおっしゃらなかったのね?ほんとう?」
 「言わなかった」
 「ほんとじゃないみたい。ね、ほんとのことを教えて」
 「言わなかった」ぼくはうそをついた。

 誠実であろうとするために嘘をつくということも有り得るのかなあ。とてもべんきょうになります。