123冊本その70:「新聖書講義」

 河上徹太郎という人が、聖書を通じキリスト教精神の何たるかを11項目に分けて説いた本。小林秀雄と親交のあった人らしい。
 100頁くらいで読みやすかったが、なんとなく中途半端という印象を受けた。信仰と理智とは対立するもので、信仰は「一かばちかできまる行為の上に現れる」なんて書かれると眉毛に唾をつけたくなる。
 女性の結婚生活における心構えについてくり返し言及するところも道徳の教科書めいていた。しかし、「愛の無報酬について」の項はなかなか耳が痛かったり。