№51 加藤周一「『日本文学史序説』補講」
 「日本」「文学」「史」とは何かというところから話を始めてくれていたのがありがたかった。アイヌ文学を入れるか、立札に書かれた文を入れるか、などなど。
 日本人は古来自然を愛でてきたというけど、それはあくまでも「歌語として認定された自然」への愛であって、たとえば鳥だったら鶯と時鳥だけしか愛さないし、空を見上げても目に入るのは月だけで星はないのと同じ、という話が面白かった。