2006-05-07から1日間の記事一覧

123冊本その23:「赤光」

何を措いても「死にたまふ母」(59首)。 死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる あと「地獄極楽図」(11首)のほとんどが「ところ」で終わってるのがなんとなくよかった。 人の世に嘘をつきけるもろもろの亡者の舌を抜き居るところ にん…

123冊本その22:「狭き門」

こういう作品を読むと、キリスト教的思想を土台骨として持っていない私が西欧の作品を味読することができるのか、と不安になる。アリサを痛々しいとは思うけれど、神への道は二人で通ることができぬほど狭いものなのか、という彼女の切実な問いを自分のもの…

123冊本その21:「伊勢物語」

一番好きな話は、高校のときから変わってない。男が、妻の妹に服を送る話。本文の歌より、その本歌の方がよいと思う。 紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞみる 気持ちすごくわかる。好きな人の好きなものは好き。 「およびの血して書きつけけ…