123冊本その23:「赤光」

 何を措いても「死にたまふ母」(59首)。
 
 死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

 あと「地獄極楽図」(11首)のほとんどが「ところ」で終わってるのがなんとなくよかった。

 人の世に嘘をつきけるもろもろの亡者の舌を抜き居るところ
 にんげんは牛馬となり岩負ひて牛頭馬頭どもの追ひゆくところ